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モノクロの世界:デジタルでモノクロを「焼く」

rana

Photoshopには、「焼きこみ」、「覆い焼き」という、銀塩ペーパーを意識した機能が付いています。私が、デジタルデータを使ってモノクロイメージを創り上げる場合、頭には、常に銀塩フィルムのイメージがあり、その経験を頭に描きながら作業をしています。その意味では、フィルム現像やプリントの経験は無駄にならなかったと考えています。

厄介なのは、どこで妥協するのか?ということです。ペーパーの場合、時間的金銭的にも限度があるので、ある程度詰めたら妥協しますが、デジタルの場合は、仕事で納期がある場合を除き、延々と悩んできりがない場合があります。まあ、その場合、「ここまで」という思い切りが必要なのではないでしょうか。デジタルの困った側面です。

さて、デジタルデータでモノクロ作品を創る場合ですが、その人の考え方や経験によっていろんな作業の方法があると思いますが、私の場合は以下のとおりです。

まず、デジカメで撮ったRAWデータをそのまま現像ソフトを使ってTiffに変換します。そのTiff を、Photoshopで開き、「イメージ→色調補正→彩度を下げる」 でモノクロに近い状態にします。これがフィルム現像のネガだと考えます。

このポートレートの場合、トーンが結構眠い感じで、このままではちょっと使えません。大抵の場合、「彩度を下げる」と眠い感じのモノクロになります。これがネガフィルムで、このネガ(データではポジですが)からプリントすると仮定した場合、ペーパーの号数は3号位でしょうか。この3号のコントラストを頭に描き、トーンカーブを使ってデータを3号ペーパーに近いコントラストに仕上げます(写真1〜2)。

このデータをオリジナルと考えます。これを基本に覆い焼きと焼きこみのツールを使って自分のイメージを作っていきます(写真3)。焼き込み、覆い焼きでは、ブラシサイズをそれぞれの作業に必要な大きさにします。露光量は大きいとムラになりやすくデリケートな調整ができないので、私は、10%にしています。後は、自分のイメージで絵を仕上げて行きます(写真下)。

※プロセス写真は、スクリーンショットなので、コントラストが上がってしまって、正確なトーンを伝えることができていません。仕上がりの写真もWeb用に最適化した時点でコントラストが上がってしまっています。ご了承ください。
※Nikon D700+85mmf1.4、ストロボ+バンクライト(Chimera)、MacBookProを外部モニタ(NEC LCD2490WUXI)に出力して使用、Mac OSX10.5.8、Photoshop CS4

コラム

※私にとって最初のPhotoshopはバージョン5でした。MacはG3(ブルー&ホワイト)にフルにメモリを積んで50万円位だったと思います。それは私にとって初めてのMacでした。Apple社のコンピュータとしては、Apple2以来2台目になりました。ずいぶんと間が空きましたが、とにかくMacは高価で手が出なかったというのが本音です。知り合いのデザイナーさんは、90年代の初め、メモリをフルに搭載したMacを購入しましたが、価格はなんと600万円。住宅ローンを組むような覚悟で購入したと言います。それに比べると、最近のMacは実にお手頃な価格になったと思います。仕事では、Mac以外にもHPのワークステーションが一台あって、これはレンダリングとデジタルコンテンツ制作用として使っています。ファイル共有でMacとWinが一台のコンピュータ環境に見えるような環境で仕事をしています。Win環境で便利なのは、豊富なグラフィックインターフェースを選べるという点です。最近、Nvidia Quadro FXに代えました。本来CAD用ですが、Adobe推奨のカードみたいです。なかなか安定していてよろしいです。